姫様とウサ耳はえた金髪童顔
「動物虐待はいけませんよー」
「俺はそいつに虐待されたんですが……」
言いながら、猫に襲われた間抜けさを痛感した。
ふはぁぁ、と落ち込めば、長い耳が垂れているのが見えて――白猫がこちらを見ていた。
「ミー」
「哀れな変態にゃ。仕方がないから許してやるにゃ。感謝しろにょ。――良かったですねぇ、クロス。白猫さんがもう襲わないらしいです」
「の前に、哀れな変態がすっげーとさか撫でたんですけどっ」
「まあまあ、どうどう。猫相手に怒るだなんて、大人気ないならぬ、人なげないですよー。弱いものには優しくです」
白猫を撫でて姫は言う。随分と気持ちよさうに目を細める猫は――ダメだ、余計にイラつくとクロスは見ないようにした。