姫様とウサ耳はえた金髪童顔


でも――だったらどうしろと言うんだっ。

辛いんだ、悲しいんだ、苦しいんだ。痛くて痛くて死にたくなるが、我には死ぬ権利などない。片割れたちが生きろと言ってくれた。だから――だから我はいくら苦しくても、生き続けなければならない責務が――


「あなたにとって、片割れたちの言葉は“重み”でしかないんですか」


……、それは。


「苦しくとも生きている、生きられるんですよ、あなたは。寂しい?悲しい?痛い気持ちかもしれませんが、それらの感情に何の間違いもない。

泣き続けなさい、仲間を想い。苦しみ続けなさい片割れを想って。あなたの大切な思い出を一生身に宿し、亡くなった片割れたちの苦痛を消すことは許されない。

――でも、悲しんだ分、たくさん笑って下さい」


我は、……。


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