姫様とウサ耳はえた金髪童顔


「片割れたちに想いはせても、生きているモノの感情はそれだけじゃない。寂しいも悲しいも、それを思うのは一時だけでいい。長い時の中の一時。それ以外は、笑って過ごしましょう。

生きているあなたが、片割れたちのためにすることはそれだけだ」


また、楽しい思い出を我は宿せるのだろうか。


「それはあなた次第だ。でも、あなたが笑う毎日を過ごすために――私がそばにいてあげますよ。

亡くなったモノがあっても、“自分”が生きている限りまた、あなたは新しい“大切なモノ”を得ることができる」


――ああ。


「さあ、あなたの新しい居場所に行きましょうか。楽しい思い出を作る、今この時へ」


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