姫様とウサ耳はえた金髪童顔
「な、いきなりなにを。う、嘘じゃねえぞ」
「嘘も何も、出会うなりに『俺寝過ごしてない』と唐突すぎる。丸分かりだ、この馬鹿ウサギ」
「だから好きでウサ耳になったわけじゃねえ………、って」
自分の言ったことにクロスは考え込む。ウサギでどうしてムカッときたのか。
「もう一回言ってくれ」
「単細胞馬鹿、希にみない伝説的な馬鹿、野蛮人並みの馬鹿力を持つ大馬鹿」
「ちっがっ、ウサギだよ、ウサギっ。――って、自分で言いながらムカッてきたぞ、なんでだ!」
「……、本当に馬鹿だな」
つき合ってられんという男、ロードは頭を軽くかいて呆れていた。
「あ、ロード。頭……」
「っっ!」
クロスの一言で男が動揺した。両手で頭をまさぐるほど荒っぽく触りまくり。