姫様とウサ耳はえた金髪童顔
「何もないだろうがっ、驚かせるな!」
またチョップをくらった。顔面に。
鼻筋を押さえて、縮こまる金髪。何でだよークロスは言ったが、この時ばかりは不当な暴力だった。
「頭のてっぺんに寝癖ついていたから、親切で教えてやったのに」
「寝癖、だと」
頭をいじるロード。だが、先ほどいじくり回ったせいでもはや寝癖どころじゃない。もう一度ブラシでもかけなきゃいけないだろう。
「ふん、紛らわしいことを」
「謝るって言葉、知っているか?」
そのクロスにとっての傍若無人王なんだが、ふとクロスはあることに気づいた。
「お前、もしかして今起きたのか」
「…………」
否定しないということはそうとして、クロスはロードを指差し。