姫様とウサ耳はえた金髪童顔
手触りはぬいぐるみみたくさわさわで、長ひょろかった。
それが二つ。
頭についているそれを取ろうにも、髪束をぬかれる並みの痛みがあるだけで取れない。
「っ……うそだろ、うそだろ、うそだろ」
尋常じゃない汗は焦りから。
彼は立ち上がり、また走った。
今度はそれが枝に引っかからないように手で押さえて。
目の上端にある白い異物。認めたくないと彼は走って――唐突に止まった。
泉があった。
小さな水たまりめいた泉。見つけるや否や彼はその泉に向かい覗きこむ。
確かめたかった。
この異物がなんであるかと。
泉に映ったのはコンプレックスである見覚えある童顔と、金髪の頭。
――そうして。