7kiss 【短編集】
家に帰り、ベッドに寝転んだ。
さっきから同じことが頭の中を回っている。
だって、考えられる?
彼氏が引越しちゃうなんて。
しかも向こうの大学には合格したらしい。
「相談くらいしてよ、馬鹿拓哉」
でも…私は受験シーズンは勉強に集中していて、もし引越しのことを聞いていたら集中も切れていたかもしれない。
それは拓哉の優しさだった。
それにあの時、一人暮らしができないと言ったとき。
一緒に暮らそう、と言えなかった自分に情けなさを感じた。
#