7kiss 【短編集】





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やばいぞ、この状況。



映画どころじゃない。



帰って早々、百合は部屋の電気を消した。



俺は必死で止めたが、映画を見るときは暗くしないと気が済まないそうで。



そして百合は俺の隣に密着している。



白くて細い足は俺の足とぶつかっていて、腕も組まれているのでひじが胸に当たっている。



それなのに百合は、暑いからと言って髪を高く結んだから、うなじがチラチラ見える。



しかも時々涙目になって小さく叫ぶので、やばい。



とりあえずやばい。



最高に幸せだが、最高にやばい。



俺はこんなに我慢しているのに、百合はお構い無しに攻撃を仕掛けてくる。



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