7kiss 【短編集】





もちろんそのあとは授業に集中できるはずもなく、ちらちらと篤斗の方を見ていた。



意外と見つかる篤斗の素敵なところ。



長いまつげ、綺麗な色の目、整った形の唇、柔らかそうな髪の毛。



あんなに恐かったのに、その瞬間から違うドキドキがあたしを襲った。



「これどうしたの?」



篤斗が教科書に指を指して話しかけてきた。



あたしは、しまったと思った。



篤斗は俯いて笑いをこらえている。



それもそのはず。



あたしはルックスには自信がないけど、絵には自信がある。



いつかの授業中、教科書の適当なページに担任の似顔絵を書いた。



この似顔絵は担任の特徴を大袈裟に書いたから友達にも、似てると評判がよかった。



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