弓狩り-ユミガリ-

圭の腕も弓を引くのにさほど支障は無いみたいで、いつもと変わらない様子で引いていた。

それでも私は朝のやり取りであった違和感が気になってしまい、中々練習に集中出来なかった。


(あれだけ圭が言ってたし、多分気のせいだよね…)


自分の思い込みだろうとため息を吐いて気持ちを切り替える。


「蓮、どうかした?」


いつの間にか隼人が隣にいて私を見下ろしていた。


「ううん、何でもない…ちょっとボーッとしてた;」


(やっぱり隼人には気付かれてたみたいだな…;)


「だったら良いけど、何かあったらいつでも言って、蓮のためなら何でもするから♪」


そう言ってニッと笑うと隼人は戻って行った。


「ありがと」


(よし、私も練習しなきゃ)


梓も師範室から戻って来たみたいで練習に復帰していた。

それからは普通に練習していて、あの違和感のことも気にならなくなった。




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