弓狩り-ユミガリ-

「昨日、部活が終わっていつもみたいに柊と二人で帰ってたら、駅前の壹宮公園でいきなり男が俺に殴りかかってきて…俺を庇った柊は頭から血を流して倒れて……そしたら彼奴、また柊を殴ろうとしたから咄嗟にタックルしたんだけど…逆に弾かれて地面に叩きつけられちまって…俺のせいで柊は………」


ギリッと奥歯を噛み締めて拳を握る汐見君は、とても辛そうな表情で俯いていた。


「少なくとも秋月の事はお前のせいじゃない…自分を責めるな汐見」


梓が汐見君を真っ直ぐに見詰めて言い切る。


「にしてもさ…随分物騒な話だね……汐見、その男の特徴とか分かる?」


ずっと黙っていた隼人が口を開いた。


「特徴…ですか……?」


汐見君は思い出そうと首を傾げて小さく唸る。


「フード被ってたんで合ってるか自信無いですけど、背は高くて細身でした。
けど力は凄く力が強くて…後、掌に弓のタトゥーがありました」




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