弓狩り-ユミガリ-
「先輩、俺にも手伝わせて下さい!!」
圭が梓を真っ直ぐに見つめるが、梓は厳しい表情を変えずに首を振った。
「駄目だ…この件は危険過ぎる、不用意に後輩を危険にさらす訳にはいかない」
「けど、内密にしなきゃいけない以上…圭がいてくれた方が助かるんじゃない?」
反対する梓に対して隼人が助言する。
隼人の事だから圭の気持ちを考えての事だろう。
「私もその方が良いと思う、確かに危険なのは分かってるけど流石に後輩に隠し通すのは難しいし…」
「隼人先輩…蓮先輩……」
「はぁ……分かった。だが無理は厳禁だぞ」
隼人と私の口添えが効いたのか、渋々ながらも梓は承諾してくれた。
「部長…ありがとうございます!!」
梓の言葉に圭の表情が締まる。
「圭、俺と柊の分まで頼むぜ」
汐見君が圭の肩に手を置いて笑みを浮かべた。
秋月君を助けられなかった汐見君が一番もどかしく思っている事を分かっていた圭は、「おう」と笑顔で返した。
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