弓狩り-ユミガリ-
警戒体制
次の日、一年部員だけ先に部活を始めさせ、二年部員は監督の居ない師範室に集まっていた。
話の内容は勿論、通り魔事件についての事だ。
「そんな…通り魔なんて……」
「チッ…気に入らねぇ野郎だぜ」
「迷惑な話だ…」
梓が一通りの経緯を話し終えると、弥琴は私の隣で不安そうな表情になり、他の部員たちもそれぞれ不快な色を露にする。
「それで、どうするの部長?」
皆を諫めるように隼人が梓に向かって話を切り出す。
梓は腕を組んで暫く目を閉じていたが、目を開けると机に肘を着いて部員に目を向け、口を開いた。
「取り敢えず、この校舎内では安全を確保出来るから練習に支障はない。
だが、犯人の見当がつかない以上、ウチ(霙蔆)の生徒、教員である可能性も否定出来ない」
「まぁ、問題はここを出た時って事だよね。
流石に校内では向こうも下手に手出しは出来ないだろうし…」
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