弓狩り-ユミガリ-

「今日はこれまでだ。各自大会へ向けて体調管理を怠らないよう注意しておいてくれ、以上」


"はい"


『礼』


"ありがとうございました"


練習が終わった後、上級生たちは各々後輩と帰宅して行った。


「何も圭が私たちを送らなくても良いのに…」


帰路を歩きながら私は隣を歩く圭に呟いた。


「蓮先輩、自覚無さすぎですよ。それに弥琴先輩と二人だからって安心出来ないんですから」


「蓮に自覚が足りないのは確かだよね。もう少し緊張感持っておいた方がいいと思うよ」


「そうかな…?」


圭だけでなく弥琴にまで言われ、思わず首を傾げると二人ともため息をもらしてしまった。


「本当っ、蓮は鈍すぎ!自分が女の子だってこと、ちゃんと分かってる?」


「ごめん弥琴、分かったから落ち着いて」


怒る弥琴をどうにかなだめようとするも当の本人はムスッと表情を固めてしまった。


「弥琴先輩は蓮先輩のことが本気で心配なんですよ」




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