弓狩り-ユミガリ-


「貴様ら…」


「「「!!…」」」


(不味い…梓の背後にどす黒い影が…//)


こっちを向きながら俯いている梓からは明らかに怒りのオーラが立ち込めていて、表情が見えない分いつもより怖さが増している。


「あ…梓、ご「貴様らには今日、特別メニューで練習してもらおう…」


梓は口角を上げ、黒い笑みを浮かべて言うとスタスタと自分の教室に戻って行った。


「梓の特別メニュー…」


「ははは、明日は動けないかもね」


「ったく、お前が梓を馬鹿にするからだぞ?」


“はぁ…”と深い溜め息を吐きながら日高君が隼人を呆れたように見る。


「まあまあ、いいリハビリ代わりにはなるでしょ?」


「リハビリにはハード過ぎるだろうが//」


苦笑気味に笑いながら隼人が言うと透かさず日高君が突っ込んだ。

“キーンコーン、カーンコーン”


「もう時間か…」



< 28 / 32 >

この作品をシェア

pagetop