弓狩り-ユミガリ-
『恐怖への幕開け』
不審な影
次の日―
「圭、その怪我…!!」
朝の電車で乗り合わせた圭の腕には手首から包帯が巻かれていた。
「え、あぁ…実は昨日、バイクでこけちゃって;」
"あはは…"と苦笑する圭の表情は気のせいか少し違和感があった。
「圭…それ本当なの…?」
私は圭の目を見て問いかける。
「やだなぁ先輩、本当にこけたんですって…急に目の前に猫が飛び出てきて、避けようとしたらバランス崩したんですよ」
尚も笑ったまま頬を掻く圭…。
「そう…で、大丈夫なの?」
「全然平気です、ただのかすり傷ですから心配しないで下さい」
それ以降、どれだけ圭に理由を問いただしても圭は何も話してくれなかった。
(圭…何を隠してるんだろ…)
その後、部活に来た圭は梓と隼人にも同じ説明をして梓に叱られていた。
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