多幸症―EUPHORIA―
『ごめんね、いつも仕事多くって』

『覚悟して入りましたから、生徒会。みんなが毎日楽しい学校生活送れればいいなぁ、って』

 あたしは笑顔で言った。

『多幸症の女の子って噂通りだね』

 タコウショウ?
 あたしは首を傾げた。
 それを見て、先輩は楽しげに口許を緩ませた。

『みんなの幸せを願って…なんでも、幸せにかえちゃう明るい女の子ってこと。悩みとかないでしょ? あっても、今夜のご飯の心配とか』

 ものすごい馬鹿のされ方だと思う。これが先輩の可愛がり方なんだろうけど。

『あたしだって悩みくらいありますよー』あたしはむきになって言った。『人生には悩みがつきものなんです!悩みが無い人生なんて、ハンバーグが入ってないハンバーガーのようなものですよっ』

『それ、サンドイッチだったんたんじゃないの?』

 先輩はシニカルな笑顔でそれに答える。

『あっ、じゃあ、生徒が居ない学校みたいな!』
『休校日?』

『バックコーラスしか居ないバンドみたいな!』
『カラオケがわりに、皆様、ご自由にお歌いくださいね』



『うぐ~。先輩のばかぁあ。なんであげ足とるんですかっ!』

『え?楽しいから?』
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