王子様と幼馴染
「今日はオヤスミ。」
「そ、そーなんだ。」
ぱ、と顔をそむけて、またかばんの中を整理すると、
足音が近づく。
「で、どーすんの?」
振り向くと、
「わぁっ!?」
意外と近い場所に彼がいて、そんな驚きの声を上げてしまう。
ふ、と笑って、びっくりしすぎ といわれた。
「えっと、私はカエリマス。」
「はは、お前カタゴトだぞ。
じゃ、帰るか。」
李音はエナメルをひょいととって、
行くぞ?と目だけで言った。
えっと、まだ私返事して無いけど?
ま、いっか。
嬉しくて、なんとなく恥ずかしくて返事をしていなかっただけだから。
ん、と頷いて彼の後に続いた。