王子様と幼馴染
「そうそう。
だから、バスケ部に入ったんだけどさ。
他の運動部は、休みとかねぇし。」
「あー、確かに。
でもさ、休みとかがあるけど、バスケ部強いよねぇ。」
「いつもはスパルタですから?」
李音がいたずらっぽく笑う。
それにつられて私も少し笑った。
こんな風に、李音が無邪気に笑う姿を見る人は多分あまりいない。
女子たちには、繕った笑顔しかみせないし、
クラスの男子としゃべってるときを見ても、なんとなくよそよそしい感じがするから。
こんな姿を唯一見れるのは、
同じバスケ部の男子と、他の学部の王子たちと、私なんだと思う。