王子様と幼馴染
李音はぽそりと、何か呟いた後、
んん、と咳払いをしながら首に手を当てて、しゃべり始めた。
「新聞部、ってあるじゃん?」
「うん、あるね。」
「…そいつらに、ちと追われててだな」
「はぁっ!?」
私が大声を出すと、ぱっと彼の手で口を覆われて、
“声がでけーよバカ、”と目で言われる。
ち、近いよ、李音!!
私が耳まで熱くさせていると、
少し気まずそうに、わりぃ、と言われて手が除けられ、繋いでいた手も離れた。
右手が、途端に冷たくなる。