王子様と幼馴染

 
「で、うん。 追われてるわけ。」
「何かしたの?李音」
 
「何かしたっていうか…」

あ、もしかして。

「“王子”だから?」

というと、ん、と首を縦に振ることによって、返事をされる。
 
「多分。

最初、取材させてくださいとか言われたんだけど、断ったら…。
ストーカーまがいになってて。」
「う、わ…」
最悪、と口の中で思わず呟いた。
 
李音を、なんだと思っているのだろう。
学園の王子?彼らにとっていいネタ?
ネタになるモノ?
 
…違う、李音は“モノ”なんかじゃない。
あなたたち、そして学園の“モノ”じゃない。
李音は、李音自身のものだ。
 
誰かがプライベートを、みだらに犯していいものじゃない!


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