王子様と幼馴染
ふいに、肩を叩かれる。
振り向くと、そこには生徒会長の十文字さんと、
会計の天水くんがいた。
鈴が生徒会に入ってから、
時々しゃべるようになった二人だった。
「おはよう、水野さん」
「あ、お早う。十文字さん。」
彼女はチラと掲示物を見て、優しく笑う。
「クラスまで一緒に行きましょ?」
「え、そんな」
「気にしなくていい。何組だっけ?」
天水くんにそう聞かれ、
3組とだけ伝えると 、彼はさっさと歩き出す。
行くわよ?といって十文字さんも歩き出した。
一人で行くのはつらいと察してくれたのだろう。
実際その通りだから、二人の気持ちは嬉しかった。