王子様と幼馴染


校門から真っ直ぐ道を進んで、校舎の前の掲示板に行く。

そこは、クラス変えの掲示を見る人で賑わっていた。

「ちょっと遅かったかぁ。」

掲示板から少し離れたところからぼーっと人ごみを見やる。
あの人だかりの中に入っていくのは少々面倒だからね。
まだ時間はあることだし。

「亜季ちゃん。」

私を呼ぶ声がして、
後ろを向くと眩いほどの銀色かが目に入る。
そして、澄んだアクアマリンのような色をした大きな瞳と視線が交わった。

「鈴(りん)。」

彼女は、華岡 鈴(はなおか りん)。
高校に入ってからの友達だけれど今一番仲の良い、気の置けない友達。

彼女の祖父は英国人だったらしく彼女はクォーターで、髪の色は銀、瞳の色は薄い水色という外見を持つ。
肌も透き通るような白さで、全体的に色素が薄め。

そして彼女は、かの有名な華岡財閥の創始者の血をひく。
よーするに、家は相当なお金持ちだ。

私は友人がお金持ちとかそういうのは気にしないから、
そのような話は彼女とはしないけれども。


というか桜桃学園は基本的にお金持ちなお家の人が多いから今更…と言った感じだ。
私は特待生で学校に入ったから私の家は別だけど。

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