王子様と幼馴染
李音の瞳が私の姿を見つける。
そして、クラスメイトがいるときは
絶対に口にしなかった呼び名で私を呼んだ。
「…亜季。」
教室内が一気に静かになる。
「…言っていいかな?
言わないと、このことからは逃げられそうにないから」
大勢の前だから、いつも(=二人のとき)よりも
言葉遣いの良い李音の言葉に頷いた。
「しょうがないよ。」
「わかった。」
「な、何なの!?」
親衛隊の一人がヒステリックに叫ぶ。
「俺と、亜季は…」