王子様と幼馴染

 
「あぁ、そうだぁ。

せっかくだから、水野さんに教えてあげないとぉ。」


そう言うと、くすくす笑って立ち上がる奴ら。
人数は、6、7人といったところ。

 
「普通科のミスター、
佐伯君が誰のものかってことをねぇ」

 
肩を握られ、ダンッと、コンクリに叩き付けられる。

 
「ねぇ、佐伯君はみんなのものなんだぁ?

あんた一人が独占していいものじゃねぇんだよ!」

「幼なじみだからって、調子乗ってんじゃねェーよ。

帰り道とか一緒に帰ってさ。
独占しちゃった~ とか思ってんのか?

は、まじキモいね」


 
彼女たちが発した言葉が、
あまりに私の予想通りで、思わず噴き出してしまう。
 

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