王子様と幼馴染
私の姿を見て、鈴が嬉しそうに微笑んだ。
「おはよう。そしてお久しぶりだね、亜季ちゃん。」
「ん、久しぶり。
どうだった?春休み」
「楽しかったですよ。映画見に行ったりしたの」
彼女は にこ、と笑った後、
「亜季ちゃんは、もう掲示板見ました?」
「いや、まだ。人が多いから、少しぼーっとしてた。」
「一緒に見に行きましょ」
うん、と返事をして二人で掲示が見える位置まで移動する。
まだ人が多いけど、なんとなく友達となら、人が多いところに入っていくのもいいか、なんて思う。
なにより掲示板見ないと、クラスにいけないし。
「私、9組から見てくね。」
「じゃぁ私は1組から見ていきますね。」
上から下まで、ざーっと名前を見ていたら
隣で鈴がありましたっと嬉しそうに言った。
「お、あった?」
「えぇ、3組ですっ」
そう言われて3組の欄を見る。
とりあえずマ行のところをみると、水野亜季 と自分の名前があった。
ハ行のところには 華岡鈴 と記されていて
「同じクラス!?」
「そうみたいですね、よかったぁ」
やったぁ、と彼女に手を差し出すと、鈴は一瞬きょとんとしたあと
私の行動を理解したのか
ふわりと微笑んで私もすごく嬉しいですと言って
私の手をパン、と叩いた。