王子様と幼馴染
02

五月の憂鬱



あれから、少し経って
時は五月。
同じクラスになったものの、彼とは全くといっていいほどかかわりがない。

その理由は…彼が普通科の王子だったから。


王子っていうのは何かというと、
うちの学園には、ミスターコンテストで優勝した人は“◯◯学部の王子様”と呼ばれる伝統がある。

そして去年の文化祭で、
李音はたまたま飛び入りで参加させられたにもかかわらず
普通科のミスターになってしまった。

そしてもともと影で人気のあった李音は、
王子様 になったことでもっと人気がでてしまい、なんと李音の親衛隊まで結成されてしまったのだ。


私には親衛隊を気にせずに李音に話しかける勇気がなかった。

親衛隊がいないときに話しかけようとしてもそれは無理な話。
彼女たちはいつでも李音の引っ付き虫だから。


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