無愛な恋人
「翔一先生?!」

「さっきはどーも。」


カッコイイ声も、頭を叩いたのもみんなこの人が犯人。

……翔一先生が。





「なぜ、ここに……」

「マンション中が騒いでんぞ、知らねえガキがきたって」

「あっ、そうかぁ……って!ケガはどうですか?!」



わたしは視線を翔一先生の右腕に、素早く移した。

それは、包帯で巻かれて肩から白い布で吊されていた。




これって……。




「骨折…、ですか?」

「全治三ヶ月」


さ、三ヶ月!!?
そんなにやばいの?!





「ごっ、ごめんなさい!すいませんっ!!」

「バカッ!でけぇ声、出してんじゃねえよ!!」


思いっ切り深く頭を下げながら謝るわたし。

最高に謝罪の気持ちを込めたんだけど……。



それはあえなく、翔一先生に止められてしまった。






「ったく、誰だよ。このマンション教えやがったの」


クソッ、と言葉を吐き捨てて頭を掻きむしる翔一先生。



……そういえば、さっきから『テメェ』とか『ガキ』とか………


「キャラ、違くないですか?!」

「あぁ?」





だって、漫画の著者コメントはすごく優しいって評判で…。

さっきだって、わたしを助けてくれて……。




なんでっ!!?
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