無愛な恋人
「著者コメント、いつも爽やかじゃないですか!!」

「は?あんなの、猫かぶってたに決まってんだろ」


翔一先生は、カッコイイ顔でわたしを睨みつける。

……萌えることしか、できないんですけど。





「ひどい!!だましてたの?!」


全翔一ファンが思っているであろうセリフを、わたしが代弁した。



「だぁ、めんどくせえっ。」

「なあっ?!」


いきなりわたしの体は、バランスを崩した。

翔一先生がわたしの腕を引いたのだ。





「ひとまず、部屋入れよ!」

ずかずかと廊下を歩く翔一先生。

そのペースは、怒っているわりに遅くて。




わたしに合わせくれてた。

やっぱ、優しいのかな?






わたしと翔一先生は、何歩か歩いて一つのドアの前に止まった。


「入れ」

「……お邪魔します」




翔一先生は、馴れた手つきでロックを解除すると、ドアを開いてわたしを招き入れる。

その動作にキュンとしてる自分に腹が立つ。






「リビング行ってろ」


短く告げると、翔一先生は違う部屋に入って行ってしまった。





しょうがなく、ソファーに腰を下ろすわたし。

リビングを見渡せば、部屋はシックに統一されている。


…先生の趣味なのかな。
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