里に下りると里は静まり返り、人の気配がしない。


「なんなんだ」


しばらく歩くと里の広場からざわつく声が聞こえてきた。
見ると中心には炎があがっている。


「……なにを………?」


よく見ると炎の前には


「………架鶴帆?」


熱風で長い髪が勢いよくうねる。
火の粉が舞い頬を焦がす。

そんなことは気にとめず、着物に火が燃え移りそうな程近づいていく。


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