兎
いつもとたいして変わらない退屈で単調な授業をこなしていくと、いつの間にかお昼休み。
「ダルいなぁ〜」
夏の陽射しがキツイ。
額にじわりと汗が滲む。
「桜〜?……死にそうじゃん(笑)」
顔をあげるとお弁当の包みを持って覗き込んでいる。
「ん〜?なんで夏ってあるんだろ」
「あんたの誕生日7月でしょ?」
夏生まれが暑さに強いなんて誰が決めた!
そう思っている間にも汗がダラダラと流れて血の気が引いていくのがわかる。
「あんた本当に死にそうだよ?」
「……………吐きそぉ」
「ちょっ!?待って今から弁当なんだからヤメテ!!」
親友よりも弁当の心配をする我が親友。
……冷たい。
「保健室行くか早退させてもらったら?」
本当に吐きそうになってきた。
「……………帰る」
「わかった先生には言っといてあげるから」
「ありがと」
楓に心配そうに見送られながらふらふらと家路についた。