兎
「〜ちょっと待って!!」
びっくりして反射的に顔を上げる李紅
「私はカズホって名前じゃないし、貴方達とは初対面なんだけど」
李紅をそのままに困ったように首だけで振り返って俺を見る
………架鶴帆じゃない?
架鶴帆の顔でそんなことを言う
「私は桜です、人違いじゃないですか?」
不審なものを見るように上目遣いで俺を見る
………桜?
その台詞を聞いて李紅が伺うように手を離す
「………架鶴帆様じゃない?」
「ごめんね」
李紅の頭に手のひらを乗せゆっくり同じ目線になるように屈むみ架鶴帆と同じ顔で、同じ笑顔で微笑む