兎
「桜か……」
照らし続ける太陽を仰ぎ目を細める
顔は同じでも泣き虫だった性格は変わったようだ。
だがわかる、魂が一緒だ
『貴方が手にかけた魂が転生するまで』
たしか姫様はそう言っていた気がする
まだ自分は目覚めたばかりだがこんなにも早く出会えるとは
「桜……」
少女が目を見開く
「またここに来てくれるか」
今度こそ守りたい。
その魂が汚されぬよう、その心が悲しみで溢れてしまわぬように
いつまでも笑顔でいられるように
今度こそ護りたい
戸惑いがちに少女が頷く。
しかし次には照れたように微笑んで手を差し出した
「じゃあ友達になりましょ、私は桜、貴方の名前は?」