兎
架鶴帆が里に帰り空に月が登る。
「綺麗な赤い目………か」
足元には架鶴帆がおいて行った兎が跳びはねている。
「いいな、お前は…」
ドンドン!!
「う…ん、なぁに?」
今夜は風が少し冷たい。
くべていた薪は既に灰になって崩れてしまっている。
ドンドン!!
「架鶴帆!いるんだろう?」
「……里長様?」
肩に布団を羽織り扉を開ける。
ガラッ………
「……え?」
外には里中の男達が集まっていた。
その中の1人が架鶴帆の腕を掴む。
「すまんな架鶴帆」
「なっなんですか!?」
「……里のためだ」