彼氏なんていらない。

掴んだ感触があり、力を込めると小さい鈴のような声がした。


「痛ッ…」

痛…?


掴んだ方向を見ると、そこにいたのは龍じゃなく、


高橋莉亜だった。


龍の筋肉質な腕とは程遠い、
握ったら折れてしまいそうな腕を今、


俺が握って…


「わぁッ!!?ご、ゴメン!!!!痛かったよね?!っていうか痛くない方がおかしいよね?大丈夫?!ホントごめん!!!!」



俺は焦って高橋の袖を捲ろうとした。




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