もてまん
「その服、胸開きすぎじゃないか?」
口元の次に、その胸元に目を奪われた。
「シゲのエッチ。そんなとこ見ないでよ」
舞が咄嗟に胸元に手をやった。
TシャツにGパン、パーカーを羽織った普段の姿からは、舞がこんなにグラマーだったとは想像できなかった。
きっちりと開いた胸元には、イヤリングと同じ柄の小さな星型のペンダントが揺れている。
(胸の谷間が見えそうだ。舞、やばい)
「さあ、お花、買いにいこう」
舞に促され、繁徳は視線を舞の顔に戻すと、小さな一歩を前に踏み出した。
「デートだもん、腕組んでもいいよね」
舞は突然、繁徳の横にすっと寄ると、するりと繁徳の腕に自分の腕を滑り込ませた。
突然の彼女の振る舞いに、その手を振り払おうにも、繁徳の腕は固まって動かない。
舞の甘い匂いが間近に香る。
ジャケットの下を冷や汗が流れる。