もてまん
「本日のお勧めは、アマダイのポワレとソラマメのスープでございます。
と、ソフトドリンクはこちらのメニューでお選び下さい。
千鶴子様から、お二人とも未成年と伺っておりますので」
そう言うと、老紳士は、二人に向かって軽くウインクした。
「デザートは、アイスクリーム三種盛りがお勧めですよ。自家製ですので」
「じゃあ、あたしはお勧めのアマダイのポワレとソラマメのスープ、それとこの海老のサラダをいただきます。
デザートは勿論、アイスクリームの三種盛りでお願いします」
舞がメニューを見ながら、サラリとそう言った。
「外はまだ暑うございましょう。食前に、ジンジャエールなどいかがですか」
「そうね、そうします」
舞は老紳士に小さく頷くと、今度は繁徳に向き直った。
「シゲは?」
舞が繁徳にメニューを向けた。
「あっ、俺? じゃあ、同じで」
繁徳は、メニューも見ずにそう答えた。
「かしこまりました」
老紳士は、優しく微笑むとメニューをたたんで立ち去った。