もてまん
二度目の発作
次の日の朝、予備校の入口では舞が繁徳を待ち構えていた。
舞が、無言で繁徳の手にメモを手渡す。
繁徳は、舞に目で頷くと、そのメモを握りしめたまま数学の教室へ直行した。
今日は舞と一緒の英語の授業がない日だ。
教室に入って席につくと、繁徳は手に握りしめていたメモを開いた。
〈109、三時半〉
舞の可愛い丸文字で、ポストイットの小さなメモの中央に、小さな文字が記されていた。
(終わったら、直行だな)
繁徳はメモを握り潰すと、ポケットの中に無造作に押し込んだ。