もてまん


丁度椅子の高さまで下げられたベットに千鶴子が腰掛ける。


「そこの冷蔵庫開けてごらん。

増田がお茶を入れてるはずだから。

で、コップはそこの開きの中だよ」


舞が冷蔵庫からペットボトルのお茶を取り出した。

繁徳は千鶴子の指差す棚を開け、カップを取り出す。

舞がカップにお茶を注いで、みんなに差し出した。


「はい、千鶴子さん。

増田さんて気が利くんですね」

「あたしが頼んだんだよ」

「さっきもいらしてたみたいよ」

「そうかい」


(そっけないな、千鶴子さん)


舞が困ったように繁徳を見た。


「なんだい、あんた達、何が言いたいんだい?」


「別に、なにも……

そうだ、舞、水曜日の報告するんじゃないのか」


繁徳は、その場を取り繕うように、話題を変えた。
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