もてまん
「少し休むかね……」
「そうだよ、インターバル入れないとせっかくのリハビリも効果半減だぜ」
「わかったようなこと言うんじゃないよ」
そう言った言葉は、もう力が感じられないほど弱弱しく、
「舞さん、そこのカーテン引いてもれえるかい。
ちょっと眩しくてね」
千鶴子は、目を閉じながら窓の方を微かに指差した。
舞はカーテンを引き、足元に折りたたまれた薄い布団を千鶴子の胸元までそうっと引き上げた。
「千鶴子さん、また来るね……」
舞の声がその耳に届いたかどうか……
千鶴子はよっぽど疲れたのか、返事はなく、そのまま深い眠りに落ちたようだった。