もてまん
冬の沖縄は暖かかった。
Tシャツ一枚で心地良い。
さすがに泳ぐ気にはならなかったが、素足で二人、砂浜を並んで歩いた。
少し汗ばんだ、舞の腰に手を回す。
そんな一つ一つの動作がぎこちない。
夕日を見ながら、肩を寄せた。
ホテルのバイキングの夕食も、何だか、緊張で味がしなかった。
早々に部屋に戻り、二人別々にシャワーを浴びる。
夕涼み。
バルコニーに出ると、満点の星空。
(嗚呼、空にはこんなに星が隠れていたんだ……)
東京では、ネオンに阻まれて見る事のできない、夜空の本当の姿。
神秘的な星の奏でる煌きのメロディーに包まれ、繁徳はいつしか舞の唇に自分の唇を重ねていた。
言葉にならない想いがあふれ、繁徳はきつく、きつく舞を抱きしめる。
「シゲ、いいよ……」
舞の唇から言葉が漏れ、その身体から力が抜けていく。
繁徳は舞の身体をそっと抱き上げベットへと運んだ。
「舞、愛してる。今も、これからもずっと……」
繁徳は舞の身体に重なると、舞の身体の一つ一つを確かめるように愛撫した。
舞の身体は柔らかく、そして暖かかった。
初めて結ばれた時、舞は呻くように言った。
『やっぱり、痛い』って。
それから何度結ばれたか……
二人の身体は一つになり、そして溶け合った。
また夜が来て、そして朝になった。
「ランデブー、終了!」
ベッドの上で舞が叫ぶ。
裸で抱き合いながら、二人で笑った。