もてまん
「やっぱ、嘘でしょ。あたし達と行きたくないんだ」
繁徳の心を見透かしたよううな、舞の言葉。
だが、ここでそれを肯定する訳にはいかない。
(ようぉし)
と、繁徳は急に奮い立って、舞の瞳をじっと覗き込むように見つめ、
「俺が嘘ついてるように見えるかよ!」
と、精一杯の見栄をきった。
舞の瞳に自分の姿が映る。
(うわぁ、こんな間近でみたら、やばいぜ)
舞の大きな瞳が瞬く。
睫毛が長い。
繁徳は思わず、
「お前って、睫毛長いのな」
と呟いていた。