私が求めていたもの
「おいっ亜里抄待てよっ!!!!」



ガシっと腕をつかまれる。



「離してっ!!」

「んでだよ!!!」

「桃のとこ戻ればいいぢゃン!!」



もう限界だよ……。



我慢できないよ……。



「お前なにがあったんだよ。」



ごめん、桃。



彼はそうつぶやいてアタシを優しく包み込んだ。



でも彼はもう桃のところにいるんだよね。



「あたし……。」



もう我慢の限界だ。



「悠樹が好きなんだよ……。」



か細い声で言った。



初めての告白。



「なんにでも一生懸命で……悠樹の元気な姿とか笑顔とか見たらあたしも笑顔になれたし元気をもらえたんだよ……。そんな悠樹がアタシの友達の桃と親しくしてるとこなんて見れないよ……。我慢なんてもうできない。気づいてると桃にいつも嫉妬してる。ごめんね、こんなアタシ最悪だよね、あきれるよね。でも好きになっちゃったんだ、悠樹のこと。」



テンパってたからなに言ったかなんて忘れた。



でももう我慢できなかった。
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