婚約者の秘密♪
外で手をつなぐなんて初めてだ。



そう思うとさっきまでの気持ちは消えて
少し恥ずかしいけど嬉しい。 

達也の手の温もりが心地よかった。



「合宿、行きたくねぇなー」


ふと達也が少しため息をついた。



「なんで?」


「増田がくっついてくるから」



その答えに笑いそうになった。



「達也は…嫌なの?」



ためらいながら聞くと
達也は私の目をじっと見つめてきた。



「優羽は平気なわけ?」



胸がドキッとする。



それは…私は嫌だよ…


増田さんだけじゃなくて他の女の子達が達也にくっつくと思うと落ち着かないもん。



「私は――嫌…」


私は顔を伏せた。



重いとか思われたかな…?



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