婚約者の秘密♪
『そっか…』




少し沈黙が流れる。



『……そこさ、穴場なんだよね』


「えっ?」


穴場って……?



『ここらへんじゃ1番、星とかが綺麗に見えるんだってさ』


「そうなの?」


知らなかったな。



『だろうな』


電話の向こうでフッと達也が笑った気がした。



「どうして…?」


携帯をギュッと握った。



「どうして、私をここに…?」



だって私達、昨日…



「………ただ、優羽に見せたかっただけ」



それを言われて涙が溢れた。


無愛想な一言だけど今の私には十分だった。



昨日、散々達也にひどいこと言ったのに…


今はこうやって気づかってくれる。



『…優羽?』


少し心配そうな声が聞こえた。



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