婚約者の秘密♪
“達也”という言葉を聞いて私は折角止めた涙が溢れだした。



「私…、もう・・駄目かもしれない」



「「えっ?」」


千亜希さんと泉さんが口を揃えて言った。



「うわぁぁん――!」



私は玄関付近に座ったまま千亜希さんに抱きついた。



そして泣きながら今日のことを説明した。



最近の達也の様子。達也の噂。そしてジュエリーショップの店員とのやりとり。



千亜希さんと泉さんは黙って聞いてくれた。



「もう…わからな、いんです…達也が…」



私はもう必要ないのかな…?



「ゆ…許せないっ!」


千亜季さんの声が私の頭の上から聞こえた。




その時、玄関のドアが開いた。

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