婚約者の秘密♪
「何がだ?」


達也は淡々と治療しながら聞いてきた。



「だって…私、達也から任された仕事できなかったもん」



なんか悔しいな…



「…たっく。お前はバカだな」


「なっなんでよ!」



私が顔を上げると達也は優しい顔で私を見ていた。



「俺がいつ“お前1人”と言った?」



えっ? 違うの?



「前に“自分が仕事してるからお前もしろ”みたいなこと言ってたから…」



「確かに言った。だが俺はその後に“無理をするな”と言っただろう?
だから自分だけでは出来ないなら周りを頼ればいいんだ。メイドや俺をな…」


達也は私の頭を優しく撫でた。


涙が出そうになった。


達也は知っていたのかもしれない。



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