夏の空の虹
─ガラっ。

お父さんがきた。

『おーっ、調子どうだ?』

「いいよっ」

『そっか、来週には1日だけなら帰れそうだって』

あー。

来週なんだ。

ってことは

余命

2ヶ月もないな。

あと、1ヶ月くらいかな。

「そうなんだ」

『頑張れ…よっ』

お父さん、目が潤んでる。
突然…

『トイレっ、トイレっ』

なんて叫んで

部屋をでていった。

泣いてんの

バレたくねぇんだな。

まだ

1分もたってねぇのに

お母さんが

『お父さ…ん、トイ…レ遅いわねっ…。どうし…たんだろう…。ちょ…っと見て来るわね』

なんて言ってでていった。


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