夏の空の虹
ばあか。

ははっ

俺まで泣けてくるじゃねーかよ…?

死ぬコトが怖いんじゃない。

家族と離れるコトが怖いんじゃない。

自分の存在が

この世になくなってしまうコト

感情がなくなるコト

好きなもの

嫌いなもの

それが

なくなる。

いつか

自分がいたことすら

忘れられる

そーいう

世界になることが怖い。

なんて考えてたら

もう涙でぐちゃぐちゃになった顔を慌てて拭った後の顔で

『お母さん達、一輝のご飯作らないといけないから今日は一端帰るね』

もう泣いてんの

バレてんのに…

まだ隠そうとしてる

ははっ

「うん、分かった」
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