夏の空の虹
長かった入院生活…

様々な人に出会った。

この狭い病院内で

いろんな物語を見てきた。

多分…世界は広い。

でも

俺の世界は

ここ。

幼い頃、出会った

口うるさい、親みたいな中田叔母さん。

タバコを辞めろと何度も言われ、でもめけずに意地を張り吸い続けて…逝く時にタバコは吸うなよって俺に言って死んだ、病院内の噂を沢山教えてくれた山田の叔父さん。

俺に懐いて、毎日病室に来ては、喋って帰っていく優也くん。

………………。

言いきれないくらいの人と出会った。

俺は、俺。

短かったけど

長かった。

たった、16年なのに

80年も100年も生きてきたみたいだった。

病室から見上げる空は

毎日、毎日

形を変えて

楽しませてくれた。

辛いコトも忘れさせてくれた。

俺をずっと、見守ってくれていた。

みんな、みんな

ありがとう。
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